資金調達サポート事業ではどんな成果が見込める?得られる支援も紹介
山梨県では、スタートアップ企業向けに資金調達をサポートする事業を行っています。スタートアップが資金調達を行う方法には、ベンチャーキャピタルからの出資や金融機関からの融資などがありますが、山梨県が関わることでどのようなメリットがあるのでしょうか。
当記事では、山梨県による資金調達サポート事業で見込める成果について紹介します。
資金調達サポート事業ではどのような支援が受けられる?
山梨県では、資金調達サポート事業としてシード~アーリ期におけるスタートアップ支援を行っています。県とともに出資するVC(ベンチャーキャピタル及び県内金融機関等)を公募し、認定VCと連携した出資や企業成長のためのサポートを提供する取り組みです。
採択されたスタートアップ企業に実施される支援内容は、以下の通りです。
・県内企業とのマッチングや商品・サービスの紹介
・販路開拓に向けた営業、PR支援
・県の関係部署や研究機関、支援団体の紹介
・補助事業や融資制度利用のサポート
山梨県の資金調達サポート事業で注目すべきポイントは、直接投資を行っている点です。自治体によるスタートアップ支援では、一般的にファンドを設立し出資する「間接出資」という方法が取られています。一方、山梨県によるスタートアップ支援は、認定VCとともに県が直接投資を行うため、資金調達そのものだけでなく企業の成長にも山梨県自体が責任を持つ取り組みと言えます。
補助金の交付を目的とした支援とは異なり、事業が軌道に乗ることを目指し、経営により踏み込んだ支援が行われるでしょう。
2.資金調達サポート事業で期待できる成果
ここでは、資金調達サポート事業の成果として注目できる2つの面を解説します。
2-1.営業やPRの支援
スタートアップ支援で行われる営業やPRのサポートは、スタートアップを軌道に乗せ、成果を生み出すのに大きく寄与します。
スタートアップ企業の成長に必要なのは、市場や企業の特徴に合わせたマーケティング戦略の展開です。しかしスタートアップは分析データや情報が少なく、地元企業との関係も浅いため、顧客獲得経路に苦労する場合が少なくありません。
対して地元企業は、企業同士のつながりや自治体との信頼関係を有しています。地域に根差し、企業として安定した地位を築くことが必要なスタートアップにとって、県や地元企業による後押しは大きな強みとなります。商品の紹介や取引企業とのマッチングは、スタートアップの新規参入を助け、スムーズな事業展開を手助けするでしょう。
2-2.技術やアイデアの吸収
資金調達サポート事業の成果として、地元企業の知見や実績とスタートアップがもつ柔軟な発想の掛け合わせによるイノベーションの創出があげられます。
地元企業は支援を行うだけでなく、スタートアップの強みである新しいアイデアや最先端の技術などを自身の事業にも生かせるため、互いを高め合い、事業の発展が期待できるでしょう。
スタートアップとの共創は、スタートアップ側の事業拡大だけでなく、地元企業が新規事業を展開するのも後押しし、経済の活性化につながります。支援する側にとってもメリットのある取り組みとなります。
まとめ
山梨県によるスタートアップ支援では、資金調達のサポートだけでなく県内企業や支援団体とのマッチングも行っています。スタートアップ企業にとって課題となりやすいマーケティングやプロモーションを支援することで、スムーズな事業拡大が期待できます。
同時にスタートアップへの支援は、地元の企業にとっても新しいアイデアや技術に触れる機会となり、イノベーションを起こすきっかけにもなります。資金調達サポート事業は、スタートアップ企業と支援する企業どちらにも大きな成果が見込める事業です。