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シリーズAとはどのようなフェーズ?資金調達方法も解説

スタートアップの企業が資金調達を行う際、事業のフェーズによって必要な調達金額は異なります。シリーズAは投資のフェーズを示した「投資ラウンド」の1つであり、大規模な資金調達が必要となることから非常に大切なフェーズと言えます。

当記事では、シリーズAがどのようなフェーズなのかを解説した上で、資金調達の方法について解説します。スタートアップ企業として事業の拡大を目指す方や、スタートアップ企業への投資を考えている方はぜひご覧ください。

1.投資ラウンドとは?

「投資ラウンド」とは、投資家が成長性を見込めるスタートアップに対して投資を行うフェーズ(段階)のことです。シリコンバレーを中心に生まれた考え方で、投資家がスタートアップへの投資額を決める際の指標となります。なお、投資ラウンドは投資家側から見た表現で、企業側の表現である「資金調達ラウンド」と意味は同じです。

スタートアップにとって投資ラウンドの意味を理解することは、事業戦略に必要な資金額や調達のタイミングを考える際の目安になります。また、投資家と共通認識や信頼関係を構築するためにも重要です。

一般的に、投資ラウンドは6つのフェーズで進みます。それぞれの特徴と事業の状況、必要な事業資金は以下の通りです。
投資ラウンドの6つのフェーズ

1-1.シリーズAはどのようなフェーズ?

シリーズAラウンドは、スタートアップ企業が事業成長を遂げるための本格的な資金調達が始まる大事なフェーズです。

投資ラウンドにおけるシリーズAは、事業段階においてはアーリー期からミドル期にあたります。アーリー期では製品やサービスをリリースし、事業を市場で大きく成長させるため、シード期以上に多額の資金が必要です。

シリーズAからは資金調達手段に「種類株式」の発行が加わります。種類株式とは、普通株式とは権利の内容が異なる株式のことです。スタートアップ企業の場合、配当や残余財産の分配で優先権のある「優先株式」を発行し、投資するメリットを高めるケースが多く見受けられます。

1-2.投資ラウンド初期での資金調達額

シード期は製品やサービスの開発体制を整え、プロトタイプをつくって検証する、いわば準備段階にあたります。シード期の調達金額はエンジェルラウンドで数百万~数千万円、シードからプレシリーズAでは数千万~数億円が目安とされます。

アーリー期にはPMFの成立が視野に入り、製品の売り上げ拡大や新規ユーザーの獲得が課題となります。PMFとはProduct Market Fitの頭文字で、製品やサービスが求められる市場がある、つまり売れる基盤ができるという意味です。

アーリー期の課題解決のためには、以下の事業資金が発生します。

・マーケティング費
・人件費、人材獲得費
・設備投資費

シリーズAでは設備資金に加えて1~2年分の運転資金を調達するとよいでしょう。調達金額の目安は数億~数十億円です。

2.シリーズAの資金調達方法

シリーズAラウンドにおける資金調達方法には、主に2つの選択肢があります。どちらの方法にもメリット・デメリットが存在するため、スタートアップ企業の状況を踏まえて検討するとよいでしょう。

2-1.ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、成長性のある企業などに対して出資という形で投資を行う会社のことです。ベンチャーキャピタルは投資によって企業の経営を支援し、企業価値を高めてから保有株式を売却して利益を出します。

ベンチャーキャピタルからの投資は「出資」であり「借入れ」ではないため、基本的に返済の義務はありません。経営者にとっては万が一事業に失敗した場合でも、借金を負うリスクを回避できます。また、ビジネス経験豊富なベンチャーキャピタルから経営支援やアドバイスを受けたり、事業に有益な人脈を得られたりすることも大きなメリットです。

ただし、ベンチャーキャピタルは企業が成長しないと利益を得られないため、株主として経営に干渉される可能性があります。

2-2.金融機関

一定の成果を出しているシリーズAのスタートアップであれば、資金調達手段として金融機関からの融資も選択肢に入ります。

金融機関から融資を受けるメリットは、持ち株比率を下げずに資金調達が可能なことです。経営に干渉されるリスクもありません。

ただし、金融機関からの融資を受けるには審査があります。また、エンジェル投資家などの個人投資家やベンチャーキャピタルからの融資と異なり、返済義務が生じます。

金融機関のうち、政府系銀行である日本政策金融公庫は新規事業の創出や中小企業支援を目的としており、民間の金融機関よりも融資のハードルが低めです。返済期間の猶予がある、金利が低いなどのメリットもあります。特に「新創業融資制度」は創業して間もないスタートアップやベンチャー企業でも融資を受けやすいため、活用を検討してみるとよいでしょう。

また、山梨県では「起業家支援融資」を実施しています。同制度の詳細については、以下の県HPよりご確認ください。
起業家支援融資のご案内

3.スタートアップ企業が資金調達を成功させるには?

シリーズAにおける資金調達を成功に導くポイントを押さえておきましょう。
スタートアップ企業が資金調達を成功させるには?①
スタートアップ企業が資金調達を成功させるには?②
スタートアップ企業が資金調達を成功させるには?③

まとめ

シリーズAとは、スタートアップ企業にとって本格的な資金調達が始まる非常に大切なフェーズです。事業を成長させるため、人件費や設備投資費のほかにマーケティングにかかる費用を調達する必要があります。

シリーズAのスタートアップ企業が取れる資金調達方法としては、ベンチャーキャピタルからの出資や金融機関からの融資が挙げられます。ベンチャーキャピタルから出資を受けることで、返済の必要がない資金を得られるほか、経営についてのアドバイスを得られたり人脈を広げたりすることも可能です。どこから出資を受けるのか比較検討しながら、資金調達を進めましょう。

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